絵コンテとカメラワーク入門編

どうも、鈴です。

今回のテーマは絵コンテとカメラワークです。

映像は役者や物の動き以外にカメラの動き色の変化などでビジュアルが構成されています。

絵コンテを描く時もカメラの動きを意識して描かないと画面が止まってしまって面白くない映像になりかねません。

それゆえに、絵コンテとカメラワークをセットで考えた方が良いかなと思っています。

今回は実際に色んなカメラワークをなるべく入れ込んだ絵コンテを描いて説明します。

ストーリーは特に考えずに描いたので中途半端なところで終わってしまいますが、悪しからず。

一番最後にPDFにまとめたファイルを置いておきますので、ご自由にダウンロードしてください。

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絵コンテのフォーマット

日本のシリーズアニメで良く使われる絵コンテ用紙は下記のような縦方式のものです

コンテ用紙は各アニメ会社によって違いはあると思いますが、大体はこれに似た形です。
・「カット」または「CUT」 一つのカメラが撮り始めてから中止までの映像のひと単位
・「画面」または「PICTURE」 撮りたい映像の簡単な絵
・「内容」また「DESCRIPTION」 説明、補足や指示など
・「秒」または「尺」、「TIME」 そのカットの継続する時間
これらは最低限の必要情報なので、必ず入っていると言って良いでしょう。

描き方・基本的なカメラワーク

このコンテ用紙にどのように描いて、記入すれば良いのかを実際にみてみましょう

見方としては
CUT番号→画面の絵→内容→尺

・CUT番号
CUTの最初のコマに書きます。ここで何コマがあるか確認します
・画面の絵
どんな構図、誰が何をするか、カメラは動くのかなどを確認
・内容
絵だけでは伝わらない細かいところの補足や特別指示はないか確認(ト書きともいう)。
ほとんどの場合左右に分かれていて、右側はSEやセリフと書くことが多いです。

基本的には絵がメインで、どのような芝居をするかをなるべく分かりやすく描き
ト書きの方はなるべく簡潔に書くのが望ましいです。

ただ全部の芝居を描くのは現実的ではないので、矢印やスタートとラストの絵を同じコマに描くなどである程度省略するのも大事です。

大事なところは□や○で囲ったり、赤や青色で描いたり、※や☆で注釈つけるのもOKです。

カメラワークがある場合はスタートとラストのフレームも描きます。どちらかをコンテのコマにすることが多いですが、そうしなくても良いです。

・F.I.(F.O.)
フェードイン(フェードアウト)の略。黒から徐々に画面に切り替わっていくトランジションです。
※トランジションはCUTとCUTに移る際の繋ぎ目の処理
・PAN
基本的にアニメではカメラのXとY軸の移動を指します。移動や視線の誘導などに使います。
※実写の場合はカメラの位置が固定で、首のように左右上下に振るのです。アニメと実写のPANは別物です。

※その他にページ数を記入するところも良くあります。コンテが抜けていないかページで確認できます。

鈴

カット番号とページ数は描き終わってから記入すると良いです。描いている途中でカット追加したり、入れ替えたりすることがあるので、直すのが大変です!

総尺は個人的に要らないですが、なんであるのでしょうかね?

では続きをみましょう

※再掲:ストーリーは適当です!

前のページから何か新しい要素はないでしょうか?探してみてください。

では答え合わせ…

どうでした?分かりましたか?

・O.L.
オーバーラップの略。これもトランジションの一種です。次のCUTに徐々に切り替わっていく。時間経過や場面転換に使ったりします。
・FOLLOW
カメラワークのひとつです。被写体を追従するカメラのことを言います。
・STOP
カメラワークの取りやめ。
・T.U.(T.B.)
トラックアップ(トラックバック)の略。アニメの場合はカメラのZ軸の移動を指します。T.U.はカメラが前に進み、T.B.は後ろに引きます。
・FIX
カメラが動かない、止め。

茂みの中身が気になります?

鈴

ツッコミ禁止!

・ワイプ
トランジションの一種。絵が重ならずに切り替える手法。ワイプの種類は色々あります。作品によっては特別なワイプ素材があったりします。
・(セリフやSEの)こぼし
次のCUTに少しこぼれる音のこと。ちょっと上級者向けです。

鈴

Dは一体何もの!?

そんなことより、新しい要素を探して!

・IN/OUT
画面に入ってくる/画面から出ていく
・AC
アクションつなぎの略。前のCUTの動きが途中で次のCUTに続く時に使います。
・ON/OFF
画面に映っている/画面に映っていない。主にセリフで使います。

いよいよDはどんなキャラか分かると思います…?

誰?!いや、何?

・フォーカスIN/OUT
ピントを徐々に合わせていく/外していくトランジションの一種です。回想シーンと繋ぐ時に使ったりします。たまにスナイパー視点でズームするみたいな使い方もあります。
・回想
そのままの意味ですが、作品によって固有処理があります。
例:セピア、モノクロ、彩度抜き、周りをぼかすか白くするなどなど
・パース引き
背景は通常平面に引くことが多いですが、最近は少しパースをつけて引くことが多用されます。奥行き感が出せるので、よりリアルな画面を目指せる。

急展開…!ゴクリ

・BG T.B./T.U.
BGのみにT.U./T.B.処理をかける。
※セルのみにかけることもできるが、D.TU/D.TBと書きますが、最近は拡大・縮小に切り替わって行くようです。Dはデジタルの略です。
・3枚パカ
BGまたはBOOKなどの置き換えのリピート。流背などスピード感が欲しい時に使います。もちろん枚数は変更してもOKです。大体は3枚でやります。
※流背はカメラが高速に動きて、背景が流れて見えるような背景の描き方です。
・BG SL
BGを引く指示。たまに台引きと書く人もいます。
・OUT気味/IN気味
完全にIN/OUTさせたくない場合に指示します。繋ぎやテンポをコントロールする時に使います。

新しい要素が少ないですが、インパクトは強い!

・SL IN/OUT
SLはスライドの略。撮影で素材をスライドさせて、動いているように見せる手法で。画面に入る、もしくは出ていく場合はIN/OUTをつけて示す。
※作画する枚数が減るメリットがありますが、多用してしまうと安っぽい画面になるデメリットも少しありますので、気をつけてください。

ちょっとずつネタが尽きつつありますが…

・ゴンドラTU/TB
カメラが被写体に追従してTU/TBすること。何かに近づいていく時に使うことが多いです。最近これが分からないというアニメーターや演出がいるらしいです。FOLLOW TUとか付けTUとかでも通用するかもです。
・付けPAN
カメラが被写体に追従してPANすること。
※付けPANは一般的に作画がスタンダードでやることを指すことが多いです(後述)

急にホラー。

見覚えのあるカメラワークがありますね。まだ覚えていますか?覚えていない方は上の方で復習しましょう(笑)

・回り込み(風)PAN
カメラが少し回り込んで撮影すること。隠れているものを徐々に見せる時に使います。
アクションで大きく回り込んでいるように見せたりすることも良くある手法です。
・Q.PAN
クイックPANの略。PANを速い速度で行う意味です。他にもQ.TU/Q.TBがあります。
※Q.はキューと読むことが多いです。「急」と考えても良いかもですね。
・フェアリング
カメラワークの時、急に始まったり止まったりにならないように少し加速・減速をつけたい時に出す指示です。よりスムーズに切り替えることが出来ます。

ここで話が終わります。続きはまた気が向いたら!(多分やらない…)

・ピン送り
カメラのピントを送ること。視線誘導の一つです。
・ナメ
カメラの前に何かを置いて、奥にある被写体を狙って撮る手法。ト書きに書くことがない時に書くくらい使用頻度は低いです。
・ポン寄り/引き
前のCUTのアングルのまま寄る/引く。ディティール、または全体を見せたい時に使ったりします。
・○にカットアウト
あまり使わないと思いますが、カメラがいきなり切り替わるという時に使います。

絵コンテはここまでですが、なんとなく理解できたでしょうか?

他にも色んなカメラワークがありますが、大体は上記にあるものの応用ですので、まずは基礎から覚えて行けば良いと思います。

描き方は人によって違いは当然あると思いますが、大体この辺のことを把握すればアニメ業界では通じると思います。

レイアウトに起こしてみよう

絵コンテが読めても、実際にレイアウトに出来ないと意味がないので、おまけとして上の絵コンテの何カットを基にレイアウトを描いてみましょう。
※タイムシートのサイズの制限があるので、実際の尺やタイミングなどとは異なりますのでご了承ください。

タイムシートの詳しい書き方についてはこちらを参考にしてみてください

画像の数が多くなってしまうので、制限の都合で小さいサイズでやりました。

重要なのはディティールではないので、素材の分け方や指示の書き方の方に注目して頂ければと思います。基本的に原画1つにつき1枚ずつに分けて描くべきです。

あくまでも一部の例ですので、作品や状況によって対応する必要があります。

まとめ

絵コンテを描く上でカメラワークは避けて通れないので、上記の例を一つの勉強のきっかけになれば幸いです。

カメラワークを上手く使えば、様々な効果が得られるので、作りたい画面により近づいていけると思います。是非その使い方も勉強してみてください。

おすすめはやはり映画をたくさん見ることです。

観た事がある作品でも、カメラワークを意識して見直すと色んな発見があると思います。

その中で自分がやってみたいと思うものがあれば是非実際に試してみてください。失敗してもいい勉強になると思います。

では今回の資料をまとめたPDFを置いておきますので、良かったらダウンロードして参考にしてください!

今回の絵コンテはクリスタで描きました。良かったら参考にしてみてください。

ここまで読んでいただきありがとうございました!