アニメでは絵を描くとき、キャラだけではなく空間を描く必要があります。
空間があるということはそこに物と物の比較が生じて、それぞれの距離感とサイズ感も生まれます。
同じ空間にうまく共存できるかどうかがそこにかかっていると言っても過言ではありません。
空間というと必ずと言っていいほど皆さんはパースを連想するでしょう。
それは間違ってはいません。
パースの語源は「Perspective (パースペクティブ)」です。観点や視点という意味です。
とある一点から周りがどう映るかです。
例えば木が一本あるとします。
1メートル離れたところと10メートルから離れたところから見た場合、それぞれどのように映るか。
前者は視界に大きく映るが、後者は小さく映る。
これがパースの裏にある概念です。
こちらはXに投稿した画像ですが、アオリ感を出すために色々とやっています。パッとみて、どのくらい見つけられますか?

パース線の使い方
初めてレイアウトを描く方が多くつまずくのはパースではないでしょうか?1点・2点・3点透視法を理屈だけでパース線を引く。
ああでもない、こうでもないと描いては消して描いては消して頭を抱えるの繰り返し。
アニメのレイアウトを描くときはパース線をただいっぱい引くだけでは上手く空間をとらえられません。
それはあくまでも学校などでパースの勉強をするときに理屈を伝えるための練習方であって、実践的な使い方ではありません。
なぜかというと、絵の魅力を一番に考えていないからです。
ということで、見出し詐欺ですが、一旦パースの使い方は置いておきましょう。
まず、絵を魅力的にするには何を一番に見せたいのかを考える必要があります。これは以前の記事でも触れましたが、絵を描く前にまずは目的を考えなければなりません。
何を見せたいかが決まってから絵を描くようにしましょう。
いざ描く段階に入ったら、次に重要なのは画面に映るものの配置を決めることです。
演出意図を把握した上で、何をどこに、どのくらいのサイズにするかを考えます。このときは大まかでいいので、画面の見やすさ・バランス・魅力を意識しましょう。
それらが決まったらいよいよパース線の登場です。
そうです、パース線は後回しでいいです。
アイレベルとか消失点などはここで決めればいいです。
パース線は見せたいものを一つの空間になるよう、点と点(キャラとキャラ、キャラと背景など)をつなぐ役目です。この順番で描けるようになれば、画面の魅力も担保できて、空間としても成立すると思います。
もちろんパース線を引いてみて、合わない部分などがあれば絵のほうを調整することも必要ですので、正しく描けるようにならなければなりません。
ただし、絶対的な正しさよりも、絵としての魅力や伝えたいことを優先する方が多いです。多少のウソはついてもいいということです。
画面設計に必要な感覚
ここからが本題です。
絵は基本的に2Dであることを理解することが必要です。実写の映像や写真でも画面に変換されたら、ただの平面的な絵になります。私たちの目の前からの距離がほぼ同じです。
ではなぜそこから立体感や遠近感があるのか?
それは色んな要素があります。例えば同じ物体でも
| 要素|距離 | 近い | 遠い |
| サイズ | 大きい | 小さい |
| 色 | 鮮やか | くすむ |
| ディテール | 細かい | 少ない |
| 鮮明さ | くっきり | ぼやける |
これらのおかげで平面でも空間を感じることができます。
ではアニメにおいて、どのように描き分けすればいいのかについて考えてみましょう。
まずは画面を構成する物から見ていきましょう。
◾️セル
主にキャラと小物などの作画。基本的に線画(実線)が存在しますが、一部とエフェクトなどは色トレスです。
実線でも色トレスでも通常はそれぞれ均一で同じ色で塗られます。そうすると“色”での表現はまず難しくなりますね。
セルの場合はサイズとディテールで視覚的に差をつけること立体感を出します。
先述したようにカメラ(視点)に近い物は大きく映りますので、遠いものと対比的に、細かいところまで描き込めます。
また、最近は意図的に一部の線を太くまたは色トレスにすることでさらに差を出すことで立体感、距離感を演出すること増えています。
ほかにはセル分けをして、撮影(後ほど説明します)でコントラストやボケなどの処理を入れて調整することも今では当たり前になってきました。
◾️美術
セルと違って、使う色の数に制限はありませんので、絵画並みの表現ができるため遠近を出すのは難しくありません。
主な手法としては描き込み具合と色使い(空気遠近法)です。
カメラに近い近景ほどディテールが細かく、色が鮮やかでコントラストも強いです。
逆に遠景になるほど、細かく描かず、色がくすみ、コントラストも弱くなります。
◾️撮影
セルの色は基本的に美術に合わせて作っていますが、セルと背景のタッチや使う色の数がそもそも違うので、セルが少し“浮く”ことは当たり前です。
近年は写実性を重視する作品が増えてきているので、撮影の方でこの差を無くすことが求められています。所謂「なじませ」です。
ほかにはフレア(光の照り返しなど)やパラ(影を足す)、ボケ足し、コントラスト調整(セルは一定の色なので、背景のコントラストに合わせるために)などをすることで“リッチ”な画面に仕上げています。
最近はXなどのSNSで撮影処理前の素材と撮影後の完成画面の画像や動画が投稿されているので、ぜひ探してみて、見比べてみてください。
アニメーターのほとんどは線画で作業が終わります。そのため、LO段階ではよりこれらの感覚を意識して作画しないと、いざ色がつくとチグハグな画面になりかねません。
演出も同じく、最終画面のイメージを持てないとリテイクが大量に発生してしまいます。また、絵コンテでキャラなどの位置を正確に捉えられず苦労したり、現場が困る原因になりかねません。
ここで一番最初に貼った画像を振り返ってみましょう。

どんな工夫をしたか、なんとなく分かるようになりました?
足のサイズ、岩の色や線の太さ、コントラスト、ボケなど。
これらは最終仕上げの段階の調整で入れていますが、最初に描いたときはパース線を引かずにポーズと構図をある程度決めてからパースを補助線として描きました。残念ながら作業途中の絵はありませんが…
鍛え方
感覚というのは経験から生まれるものです。もちろん一部では生まれ持った才能の方もいますが、そうではない方は鍛えることで習得することができます。
結論から申し上げますと、目を鍛えることです。いっぱい見る、観察することがやはり一番です。
なんだか聞いたことがありそうな方もいらっしゃると思いますが、目を鍛えるのに一番効率的なのはやはりデッサンです。
ただ、デッサンは狭い空間でやっていますので、広い空間での捉え方はそれだけでは事足りません。
ある程度デッサンをやって、物事の“見方”が分かるようになったら、次は外に出てたくさん観察すると良いと思います。さらに写真をいっぱい撮ると、見た目とカメラの映像の違いも理解できるようになり精度が上がります。
まずは自分の見る世界を正しく再現できるようになれば、それをどう崩せば狙いたい画面にできるか、自然と分かるようになります。
まとめ
作りたい画面の逆算をできるようになるためにはまず、どういう画面構成があるのかを知る必要があります。
そのためには距離感、サイズ感を掴む必要があります。
とくにアニメは1枚の絵で完結するのではなく、一連数CUTの絵が続きますので、破綻しないようにしなければなりません。

距離感やサイズ感は鍛えることができるので、うまくLOが描けない方も一度やってみてください。
いつものやり方でうまくいかなかったら、違う方向から攻めてみると新しい発見があるかもしれません。すぐに解決しなくても、いつか振り返れば、実はほかで役に立っていることもあります。無駄にはならないと思います。

押してもダメなら引いてみる。考えても結論が出ないなら、とりあえずやってみる、聞いてみる、普段と違うやり方を試すのも大事です!
最後まで読んでいただきありがとうございました!






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