アイレベル探し、対比合わせ

どうも、鈴です。

X(旧Twitter)にチャレンジを出しましたが、みなさん試してみましたか?

アニメのLOの仕事を想定した課題でした。

対比表をどのように使うか、アイレベルの割り出しなどの練習です。
※今回はあくまでアイレベルの割り出しの説明なので、コンテの絵面を優先に

対比表

コンテ

きちんとパースと対比に合わせないと、女の子の身長が急に伸びたように見えたり、手前の男の子が床にめり込んで見えたりします。

この3人をどう描けば、ちゃんと対比表にあったLOに出来るか、同じ空間にいるように見えるのか、アニメーターのスキルが問われます。

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まずはアイレベルを決める-前半

キャラの配置は大体決まっているので、アイレベルを先に割り出すことができます。

過去にアイレベルについての記事を書いたので、そちらも併せて読んでみると分かりやすいです。

いきなりLO用紙引っ張り出して描くのも良いんですが、大きく描くと、その分大変なので、まずはコンテに、もしくは小さいサイズの絵を描いてアイレベルを探って行きましょう。

もちろん慣れてきたらステップを飛ばしてしまっても良いです。

始めて間もない方ならまずは基本的な考えをすり込ませると良いでしょう。

まずは基準となる何かを描くと良いです。合わなかったら、それをちょっとずっとズラして変えていけば良いのです。

今回メインとなるのはAとBの2人としましょう。それぞれの目の位置の近くを通る水平な線を引きます。
※今回はたまたま目の高さが近いので出来たが、2人じゃなくて、誰か1人だけでもOKです

今、線が2本あると思いますが、赤い線は対比表に合わせて描いたものなので、こちらは固定の基準線です。身長は変わらないパラメーターなので、この線も変わることはないです。

青い線を赤い線と見比べて、どこが違うのかを見つけます。

明らかにAに対してBが自分の身長より高いように見えますね。

でも配置はこれがいいので、どのようにすればこのような構図が得られるのか、ちょっとペンを置いて考えて見ましょう。

カメラの高さと見え方の変化

そもそもアイレベルという単語が正しいかどうか、という話を良く聞きますが、まぁ本来の意味では無くなってきましたね。

しかし、アイレベル=カメラの高さ、みたいに広く認識されている今、それが間違いとも言えなくなってきたと思います。

さて、ここでカメラの高さが変わると、画面に映る画はどう変化するか、見てみましょう

カメラと箱2つを一直線に並べて、カメラの高さだけを変えたポジション①と②で撮った画面がどう変わったでしょうか。

カメラは傾けずに、水平を維持したままです。

カメラが上がれば、当然映るものは下に下がって行きます。

ただ、それぞれの下がる幅が違います近いものほど幅が大きく、遠いものほど幅が小さいです。これはパースの圧縮による効果です。

このように、カメラ②の位置で撮った場合、同じ画角では手前の箱の下の部分()が見えなくなります。

それを絵に起こしてみると

こんな感じになります。
※上の図とちょっと映る範囲が違いますが、ご愛嬌で(^_^;)

見えていなかった奥の箱が見えるようになりましたね。

それは手前の下がり幅が奥より大きいからです。
カメラと箱の実際の物理的距離が変わったので、見え方が変わるのは当然のことです。

もちろんこれではあまり絵にならないので、少しトリミングというか、フレームを変えます

この赤いフレームのように調整すれば、被写体がしっかり映るようになります。
※実はカメラが同じ位置から動かずに上下左右に振ってもパースは変わりませんよ

鈴

これが理解できれば、PANする時の密着マルチ引きの理由も分かるでしょう。

同じ理屈です。

それではもとのLOのアイレベル割り出しに戻ります。

まずはアイレベルを決める-後半

こちらに戻しましょう。

手前のAをBに対して下げたいので、カメラの高さを上げれば良いです。

ただどのくらい上げれば良いかちょっと分からないですよね。

じゃ試しにBの頭1個分にしてみましょう。そうするとこうなります

これでもう一回対比表と見比べてみましょう。

Aの頭上の空いているスペースがちょっと釣り合わないようですね。高すぎたので、ちょっとだけ下げましょう。

この辺でいいかな?

現実では欲しい画は1発で決まることはあまりないです。カメラマンは自分の位置を変えたり、レンズを変えたりしつつ欲しい絵になるまで色々と調整します。

経験を積めば、その調整回数も段々と減って来ます。ある程度の予想が付くようになるからです。

鈴

ここからが微調整ですが、細かくなりすぎて、キリがないので、ある程度良いところで止めないといつまで経っても終わらないです(^_^;)

本番

大体のアイレベル、キャラの配置が分かったところで、いよいよ実際にLOを起こす段階に進めることが出来ます。

今回はアイレベルを先に割り出しているので、先にパース線を引くことができます。

最初の消失点の位置ですが、1点透視なら、AとBの向きを考慮して、少し右の方にしました。
本当は単純な理由ではないですが、今回は説明のため、シンプルにしています。

ではキャラを描いて行きましょう

ポン

いきなりここまで描いてしまいましたが、もちろん下書きを描いてから細かいところ描き上げました。

配置は絵コンテ通りです。違うのがキャラのパースです。カメラがやや上にあるので、全体的にややフカンになります。

メインの2人を描いたので、次はCを加えましょう。コンテの対比が正確であればもちろんそのままでも良いですが、せっかくアイレベルが分かっているので、それを使ってCを描いていきましょう。

まずはCの身長を割り出します。Cの位置はBの少し後ろ斜めにいると設定して

アイレベルの別のところにパース線引いて、Cの後ろに仮のCの大きさを決めます。

立ち位置などが予め決まっていた場合はそれに合わせてください。立ち位置が決まっているなら足元まで描いて合わせたほうが確実ですが、結構大変なので、この辺は経験から推測してみても良いかもです。

サイズが決まったら

位置を合わせます。この辺が良さそうってところにズラしていきます。

ここで再び対比表の登場です

Cの目の高さがちょうどBの頭のてっぺんにあるので、それに合わせてCの目の位置、頭の大きさなど合わせて描いていきます

キャラを描き終わって、背景を埋めていきます

参考なので、適当ですが、アイレベルに合わせています。

これでLOの完成です。いかがでしたか?

Cの頭がちょっと中途半端に切れているのが気になる方もいると思うので、そこからちょっとフレームを変えてみてもいいでしょう。

例えば、少しフレームを大きくしてこのくらいにすればさっきよりはちょっと落ち着いた画面になったかもしれません。もちろん、意図と反しない程度に、です。

足元が見えないと描きづらいという人もいると思います。次の描き方を紹介します。

小さく全身を描く

サイズ感に不安がある人は全身を描くのもおすすめです。
キャラの立ち位置が決まっているならこのやり方の方良いかもです。

同じように、大きく描くと大変なので、小さく描けば良いです。このように

アイレベルはもう決めたので、まずは1人目を描きます。誰でも良いですが、今回はAから描いていきます。

次はBの立つ位置にAの分身を仮置きします。前に説明したやり方で。

位置が決まったら、対比表に合わせてBを描きます

それを繰り返していけば、Cまで描いてしまいました。これで3人の位置が決まりました。

当然このままでは絵コンテと違う画になってしまうので

大まかなフレームを描いて

作画フレームに合わせて拡大すれば、下書きの出来上がり!

人によってはこっちの方が良いかもしれません。両方試して自分に合った方法でやれば良いでしょう。

鈴

この2つとも自分に合わない可能性だってあるので、無理して真似して描く必要はありません。

最初から背景から描いた方が良い人もいるかもしれないですし、あくまでも私のやり方の紹介と捉えていただければ

おまけ

①AとBの位置を入れ替えたらどうなるかちょっと考えてみてください

アイレベルは?Cはどう映る?

同じように、まずは対比表からアイレベルを割り出して、Cを描きます。

手順飛ばして、ポン

多分こんな感じになります。

②フカンが嫌なのでカメラを少し下げたい

AとBの身長差があるので、このくらいがカメラを下げる限度でしょう。

床はなんとか映さずに済むが、これはLOとしてどうでしょうか。

一見同じように見えるが、このLOだとAは大きくなって、顔が結構端っこの方になってしまうので、存在感が薄くなります。

これでも演出意図とズレないのであればこのくらいでも良いでしょう。

変えたい場合は演出さんに相談した上で行ってください。勝手に変えてはいけません

という訳で、作画打ち合わせに行く前に自分なりに演出意図を想定して、描くことをイメージしておくと良いです。この下準備が時間の節約になります。後から変えたいと思ったら、演出さんに確認ととらなければならなくて、作業が止まってしまいます。

もう一つ別のLOを見てみましょう

これは絵コンテの段階で構図の選択肢として、こういうシンプルな画面もアリです。

難しい角度ではないので、描くアニメーターを選びません。

アニメの場合は基本的に少し低めのアイレベルを設定すると良いとされることが多いです。

これはキャラがほとんど望遠レンズのような見え方で描かれていますので、背景に(キツめの)パースやがついていると、キャラが同じ空間にいるように見えなくなる恐れが出てきます。

なので、低めのアイレベルにすると、地面が見えなくなったり、圧縮されるようになりますので、キャラとの共存が計りやすくなります。

何か特別な意図がない限り、あまり無闇に難しい画角にせず見やすいシンプルな画面にした方が良いです。

角度がついて見づらかったり、不用意に感情を煽ったり、描きにくかったりしますので、良く考えた上で画角を決めるように心がけましょう。

まとめ

キャラの配置と対比があれば、アイレベルを割り出せます

メインの被写体を先に決めてから他の被写体を描いていけば比較的に楽です。

繰り返してたくさんLOを描いていけば何は描き慣れてくるので、手順をある程度飛ばすことが出来るようになります。そしたら効率も上がって数をこなせるようになるでしょう。

あくまでも描き方の紹介です。合う合わないがあると思いますので、合わなければ、自分に合う方法を探せべ良いです。

この記事がそれのきっかけになれば幸いです。

描き方を読んで描けるように錯覚してはダメなので、実際に描いてみて、咀嚼して、自分のスタイルに落としこんでいきましょう!

今回もここまで読んでいただき、ありがとうございました!