アニメのコンテ撮の素材作り

どうも、鈴です。

今日はアニメの編集作業、通称「カッティング」(略してCT)の素材をどう作っているのかを紹介したいと思います。

CTで使用する素材は何パターンあります。
①完成品 (ほとんどない)
②線撮 (原画までの素材)
③LO撮 (レイアウトまでの素材)
④コンテ撮 (絵コンテを素材に使う)
⑤シナリオ (絵コンテさえ間に合わない、最終手段)
これのミックスの場合もあります。

今回は④のコンテ撮について解説します。
なぜかというと、①〜③はすでにちゃんとした素材があるので、別途で作成する必要はないです。
コンテ撮が結構普通になって来ているので、初めて演出をやる方は素材作りに戸惑うと思います。

使う素材は以前出したチャレンジ③からの流用ですので、一度それを見てみると分かりやすいかもしれません。

スポンサーリンク

CTとは

まずはCTについて少し説明します。

CTはとても大事な作業です。作品の全体のテンポがほぼここで決まります。セリフと芝居のタイミングがここで決まります。

通常の映像作りの際、素材は少し長めに作っています。作品のテンポを決めつつ、それを少しずつ切って、定尺(ていじゃく)に収まるようにしていきます。もちろん延ばすこともあります。

また不要なカットやシーンを切り落として、欠番にすることもあります。

CTの作業を行う時に立ち会うスタッフは主に
・編集者
・監督
・演出
・制作進行
プロデューサーも参加することが多いです。

・編集者
基本的に一つシリーズは1人で担当します。集まった素材を一本に繋いだ棒つなぎの映像を流しながら、監督や演出の指示に合わせて、切ったり延ばしたりする操作を行います。
多くの場合は編集者は仮にセリフを喋って、カットの尺に収まるかどうかを確認します。キャラがどのくらいのスピードで喋るか、どんな感情や状態かを把握しないといけません。
アニメの場合、タイムシートも読める必要があります。
監督や演出の意図を汲みつつ意見を言ってくれる編集者は大変ありがたいです。

・監督
テンポを確認するだけでなく、欠番を出す、セリフの変更など、決定権と責任を持ちます。
素早い決定力があるとサクッと終わることがあります。すごい悩む監督だと結構伸びたります。

・演出
細かいところの調整など、素材の中身を一番知っているので、どういう調整が必要かを把握しないといけません。
調整や変更タイムシートのコピーに書いて、スタジオに戻ってから必要な修正指示をします。
演出主導でやる時もあります。
あとは変更があったところを、台本に書いて、修正台本を作成します。
例えば欠番、テレコ、セリフの変更など。

・制作進行
主に演出のサポートです。調整が必要なカットのタイムシートを出してあげたりなど。あとは監督や演出の送迎も兼ねる場合があります。

・プロデューサー
あまり口を出すことはないのですが、作品のクオリティの担保を見守っているのかなと思っています(笑)

テレビシリーズはほとんどの場合、この出来上がった動画を元に、アフレコ(声の収録)を行うことが多いです。

CT素材

ではまずはCTを行うときの映像はどんなものなのか見てみましょう

本職ではないので、ちょっと雑な部分がありますが、大体こんな感じです。

次は各部分についてちょっと説明します

・全体のタイムコード
時間:分:秒:コマ のフォーマットです。24コマがほとんどです。

・カット番号
現在映っている絵の該当するカットの番号です。

・ボールド
セリフ、SE、カメラワーク、トランジションのタイミングを示す表示のことです。声優さんはこれに合わせてセリフをあてていきます。他にも「光る」、「動き」などがあります。

・CUT内のタイムコード
全体ではなく、そのカットだけの尺です。基本的に 秒:コマ のみです。

・セルの塗り
今回はやっていませんが、キャラが分かりやすいように、少し色をつけるところも多いです。
特に未完成品の場合は白黒の線画なので、ぱっと見分かりづらいことがあります。

コンテ撮の素材

それでは、この動画はどう言うふうに作られたのか見ていきましょう。

鈴

本来コンテ撮はあまり良いとされていなかったが、最近はコンテ撮からスタートの方が楽に思えるケースが多いです。

これも一種の逆算なので、タイミングなどが先に決まってしまえば後は絵を描くだけです。

自分では3パターンの作り方を経験して来ました
①絵コンテ1本のみ
②カットごとに絵コンテのコピーがある
③LO用紙に絵コンテの拡大コピーを貼り付ける
大体①か②でやって来ました。③は本当に無駄な作業が多いので、多分もうやっているところはないと思いたいです。

左は②、右は③の素材の参考例です

では今回使った①の方法の素材を紹介します。
※元の素材は以前のチャレンジ③でご確認ください

左:コンテ撮素材 右:その説明

細かいキャラの芝居のタイミングのズレあまり気にせず、大まかに。

c5はAが急に消えないように動き出しを足したり。

キャラの向きはそのままでも構わない、どう動くか分かれば良い。


基本的に赤など、分かりやすい色で書きます。

作り方はミニLOってところでしょうか。絵コンテの絵は通常のLOより数が少ないので、それをどこに入れるかを演出が決めて、タイムシートに書き込んでいきます。

あまり作り込まずにセリフのタイミングカメラワークとテンポをメインに考えて作ります。

絵がごちゃごちゃになることが多いですが、タイミングが分かればいいものなので、そこまで気にしなくてもいいですが、気になるなら、別の新しいコンテ用紙を足して補足することも可能です。

c8のように、カメラフレームが絵コンテに描かれていない時は描き加えたります。また1コマ目の絵は使用しないので、❌を入れてもいいかもしれませんね。

ではタイムシートもちょっと見てみましょう

CTは仮の指示なので、動画欄に書くことが多いです。それを基に原画さんが原画欄に書き込みます。それでLOチェック時、両方を確認できます。
問題がなければ、CTのシートを消していきます。これは割と重要です。これを消さないと、動画さんに怒られます(笑)

ローリング以外にも、SLやDTU・DTBなどの対応も可能です。

・おまけ
ちょっとしたテクニックですが、中割りが多そうな場合はボールドで「動き」で示すのみいいですが、前後の絵を中OLさせるのもありです。変化するタイミングが割と見えやすくなるので、ぜひやってみてください。

CT時に使う用語を少々

カットの最初の部分
オーバー尺オーバー
削る尺を切る
ケツカットのお尻の部分
総尺そうじゃく。変更があった時に最終尺の確認
足す尺を足す
つまむ尺を少し切る
テレコカットやセリフなどの順番を入れ替える
定尺ていじゃく。放送時に必要な尺
ブレスセリフとセリフの間の息継ぎの間
ボールド画面に出る文字などの指示の表示のこと

まとめ

今回はあくまでも我流ではありますが、特に問題が起きたことがなかったので、多分仕事としては通用すると思います。

結構演出さんによって変わることもありますので、もし不明な場合は担当の演出さんに聞くと良いです。

前からも主張していますが、アニメーターも一度はCTを経験してみるといいと思います。かなり面白いですから。

その際、CTのコンテ素材を理解できているとさらに面白くなると思います。

CTが終わった後は基本的に尺の変更はしない方がいいですが、稀にアクションなどでどうしてもと言う場合は演出と相談の上で可能です。
また、アフレコで芝居やセリフの変更で変えざるを得ない時もあります。
尺の変更はダビング(音楽や効果音などを入れた)後は原則禁止ですので、ご注意下さい。

今回もここまで読んでいただきありがとうございました!