どうも、鈴です。
本日のテーマは画面を構成する時、最初に被写体をどこに置くか、フレーミングについて自分の考え方です。
これはレイアウトを描く時も大事ですが、絵コンテを描く時も意識しておく大変重要な部分です。
何を見せたいかをビジュアル的に一番最初に決めるところだからです。
イラストや不安定感や何か意図的に狙った構図があれば、もちろんそちらを優先しても問題はありません。
今回は一般的な場面に於いての構図の決め方であることを予めにご認識いただければ幸いです。
最近のアニメ、映画は難しい構図をやるとウケが良いんですが、それがずっと30分、90分と続くと観る側も疲れます。
何事も緩急が必要なので、基本的に安定した画面を作ることがほとんどです。
安定感のある画面
通常の映像作品は基本的に安定感のある画面を目指すと良いでしょう。
これは余計な感情を与えたくないからです。
話に集中できるように、必要のない感情や要素はなるべく取り除きます。
もちろん、不安感や威圧感などといった意図的に狙ったものがあれば、それに合った構図にすることで、よりその感情を煽ることが出来ます。
それ以外は見せたいものを見やすいところに配置して、画面を作っていきましょう。
まずはこちらをご覧ください

人物が1人映っている絵です。
絵の良し悪しは置いといてー(^_^;)
どうでしょうか?何か思うところはありますか?
多分あまり思いつかないかなと思いますが、いかがですか?
写真でもよくあるような構図です。
「キャラが居て、ちょっと笑っている。背景はビルがある。」といった感想しか多分出なかったでしょう。
キャラや背景が魅力的なものなら、「綺麗」や「可愛い」などの感想になっていたでしょう。
こうやって安定した構図にしていれば、魅せたものに集中して見てもらえるようになります。
三分割法
これは割とみんな良く知っているか、聞いたことがある構図を決める時に使う手法です。
上記の画像に補助線を引いてみます。縦と横をそれぞれ均等に三分割するように引きます

大雑把に引いていますが、キャラの顔が補助線の交差しているところにあります。

情報が集まりやすいところが交差する四つの点の付近に置けば大体安定した画面になります。
上記画像の場合、左上には人物の顔、右下には街が広がっています。
また、人物の方は左側に立っているが、わずかに右側に向いています。それがどういった意味があるか、後ほど触れます。

四つの点を全部埋める必要はないです。
結局はただのガイドなのであまり深く考えずに色々探ってみましょう。
では、配置をちょっとズラしてみたらどう印象が変わるかみてみましょう

少し縦方向に上げてみました。
一見同じように見えるかもしれませんが、見える情報が変わってしまっています。

人物の顔、特に目に目線が行きやすいので、画面の上部に行ってしまって下の方の情報が目に入りにくくなります。そして画面の端っこギリギリのところに目が行くので、テレビもしくはモニタのスクリーン以外のも(壁やカーテンなど)のが目に入ってしまいます。
なので基本的に画面の内側に目線が行くように設計したいです。
では逆に下げてみたらどうなりますか?

解説する前から何だか中途半端に感じてしまうのではないでしょうか?

これは分かりやすく、上の方が無駄に空いてしまっています。
人の目は基本的に上から見るように慣れているので、真っ先に上に何もないところが目に入ってしまいます。
画面としては面白くないのです。
何か上空にあるものを見せたいなら、人物はもっと下に下げて、上のスペースを広げた方が良いです。
例えば

こんな感じにすれば明確に空中の物を見せることが出来ます。
ついでにあまり良いとされないレイアウトも少し見てみましょう

これはちょっと絵的なところですが、フレームや線、物がぴったりつくようにするのはなるべく避けたいです。

何か問題がるわけではありませんが、ちょっと気持ち悪く感じます。何か意図的にそうしているのかなって勘繰ってしまうので、話の邪魔な感情が生まれるかもしれません。
物や線の重ねは意図がない限りは離してしまうか、ちょっと重ねてしまった方が良いでしょう。
では人物を画面の端に寄せてみましょう

こちらのメインの被写体はどちらでしょうか?

Aでしょうか?Bでしょうか?
Aでしたら、当然画面の端っこすぎるので、画面は安定しません。
Bでしたら、人物がそれを邪魔しているように見えます。
ではどのように改善すれば良いでしょうか?

右側の背景に目がいくように、人物をそちらに目線誘導をさせれば良いのです。
例えば上記画像のように直接向く、もしくは手で指し示すなどやれば簡単に視聴者を見せたいものに視線が行くように操れます。
ここまで読んだら、何となくお分かりかと思いますが、人物の目はとても大事です。
日常的に人と会話する時、目がどこに向けているのか、無意識的に意識しています。芝居する時はもちろんですが、構図を決める時も目の配置及び視線の向きなども計算しておかないと狙いたい効果が得られないのです。

例えばこのように一番最初の絵の人物の向きを逆にしてみました。
視線が画面外に向けているので、この人は何を見ているのかが気になってしまいます。

そうなりますと、見せたかった物の重要度が下がってしまいます。
人物のアップ
会話シーンの中で人物のアップになることは必ずと言っていいほどあると思いますが、その中で良く下記のような構図を見かけます。

これは頭のてっぺんを画面内に収めようとしているようにしているためだと思いますが、正直に言いますと、あまり良く思っていません。
おそらく会話を聞かせたい、表情を見せたいためにカメラが寄っていると思いますので、

この構図だとデッドスペースが多くて、かつ口が画面の下の方に偏っていますので、画面の安定感が良くありません。
頭のてっぺんに何も情報に必要な物がないなら画面外にしてしまっても良いでしょう。せっかく寄るならもっと寄ってしまっても良いでしょう

このくらい寄れば、目も口の位置が端によりすぎず、見やすいところにあります。

先程よりデッドスペースの面積が減ったのは一目瞭然です。
情報のコントロールは足し算だけではなく、引き算も必要です。
例えば背景をぼかすのも、光を強く照らすのもそういった工夫です。
上手・下手
当然、「じょうず」・「へた」ではありません(笑)
これも知っている、聞いたことがあるという方は多いでしょう。
上手:かみて 向かって右手側
下手:しもて 向かって左手側
主に舞台で使われる用語ですが、映画やアニメでも使います。
基本的に実写であれアニメであれ、映像論は通じるものがありますので、実写の勉強も大事だったりします。
人物の会話シーンは当然1人では出来ないので、最低でも2人は必要です。
それを1番見せやすいのが右と左に1人ずつ配置した構図です。
単体で映る時はそれぞれ上手か下手に寄せることによって、方向性が生まれます。CUTが切り替わっても瞬時に誰が喋っているかが分かります。
例えばこんな感じに


2人が向かい合っているのがわかると思います。このように

脳の中ではこう認識します。
もちろん斜め向きでも向く方向が合っていれば成立します。

左の人物が映る時、画面の左を見る、右の人物が映る時、画面の右を見る。
無意識的にこう思います。
注意点は2つの画面を重ねる時、出来れば被らない方が望ましいです

一連の映像として見る時、整理されていて見やすいです。
被る時とはどういう時か、例えばもっとキャラをUPに捉えた時


単体CUTで見れば特に問題はなさそうですが、

重ねてみると、このくらい被ってしまっています。画面が切り替わる時、変化があまり大きくなくて、視聴者の目線もちょっと迷いが生じます。

同じように一連の映像で見た時、視線は目に行ってしまう物ですから

左の人物が映る時、画面の右の方を見て、右の人物の時は左を見ると、脳が混乱してしまいます。
でもこのくらいならそこまで混乱はしないかもしれません。個人差はあると思います。出来れば避けたいですが、極端になっていなければ許容しても大きな問題ではないと思います。
イマジナリーライン
これも散々聞いたワードだと思いますが、ちょっとだけ触れてみようと思います。
フレーミングとはあまり関係ないかもしれませんが、これがある程度わかると上手・下手がより一層理解できるようになり、それでフレーミングへの考え方も少しは変わると思います。

簡単に言えば、AとBの位置関係を確立するための見えない壁です。カメラは原則、その壁を越えてはならないのです。
※説明するために、それぞれを人物とします
どのカメラで撮っても、それぞれの人物の視線の方向は変わりません。
Aは上手に向き、Bは下手に向いています。


両サイドの端のカメラで撮っても、背中側でもそれぞれの向きは変わらないのです。
それでは、その壁を越えたカメラを一つ置いてみましょう

どういう画面になるのか、見てみましょう

今まで下手にいたAが急に上手側にいます。
この急な変化に脳は追いつかなくなり、混乱してしまいます。
では無理矢理Aを下手側になるようにカメラの位置を調整してみよう

カメラ④を置いて、Aが下手になるようにしつつ撮ると…

Aの視線が下手向きになってしまっています。これも混乱の元になります。
これで少しはイマジナリーラインの意味が分かっていただけたでしょうか?
まとめ
フレーミングはただキャラを、被写体を画面内に収めればいいと言うわけではありません。
見やすさも考慮して上げないといけません。意図的に狙いのある構図がない限りはできるだけシンプルにまとめると良いでしょう。
更に映像に於いては連続性も考える必要があります。これらは映像論の勉強で覚えていきましょう。
アニメは被写体の配置が決まれば、アイレベルや背景の方は自ずと決まってくるので、逆算でレイアウトが描けて、効率が上がります。効率が上がれば、より色んな仕事に挑戦できるようになるでしょう。
今回もここまで読んで頂きありがとうございます!ではまた次回!


