素材の組み方について
どうも、鈴です。
今回の記事は素材をどのように扱うかについて解説しようと思います。
レイアウトとラフ原画を描いた後、素材分けの指示をしなければなりません。
出来るだけパッと見て分かるように指示したいです。
いつも通り、1人で作っているわけではないので、分かりやすいようにしてあげると親切です。
BGとセルとBOOK
大きく分ければ基本的には美術(BG、BOOK)と作画(セル)の2つです。
セルとはキャラクターや乗物、小物などの動く人物・物体を作画で描くものを指します。
通常はアルファベットのABCなどで重ね順に合わせて付けていきます
背景は簡単にいうと場所を描いた物です。
BGは基本的にセルを含めて、一番下に置くレイヤーです。セルの上に被る美術で描く物はBOOKと言います。背景の一部を切り抜いた物を作画の上に乗せます。
キャラは基本的に作画で作りますが、小物などは作品によって違うのと、演出さんによって変更することもありますので、作打ちなどの打ち合わせ時に確認すると良いでしょう。
セルと背景の重ね順ですが、下記の図のように重ねていきます

・BGは一番下
・アルファベット「A」から順番に上に乗せるレイヤーに付けてきます
・BOOKはセルの上に乗せる以外、セルの間に挟むこともあります
・BGとAセルの間にBOOKを入れることもあります(例:雲を引く時や撮影処理を乗せる必要がある時など)
おまけ
タイムシートの記入例
セルのABC順はわかりやすいですが、BOOKの位置がどこにあるのかを伝えるためにこのようにタイムシートに書いて示します。

時々特殊なケースがあります
・BOOK2がCUTの途中で変わるときは矢印で引っ張って、入れ替わるタイミングを示します
・後はセルが増えた場合は全部書き直すのが大変な時、別の欄に書いて矢印で位置を示すこともあります
参考例
ではもっと具対的にどんな感じなのかを絵で確認していきましょう。


ちょっと適当に描いたところがあるのであまり気にしないでください(笑)
例えばこんなファミレスみたいなところで会話する2人がいるとします。
レイアウトとしてこのくらいの描き込み具合なら十分じゃないかなと思います。もちろん家具などとの干渉があればもっと設定に合わせて描かないとダメですが、ものの配置とパースが分かればいいと思います。
また、セルは黄色などで軽く塗って
「これはセルです」と示します。
※色に関しては黄色とか橙色が慣例として使われることが多いです
背景は普通は塗りませんが、風景とかで背景がメインとなる場合は軽く木、空、土などを塗ったりすることもあります。今回はあまり細かい背景ではないので、セルとの干渉がありそうなところを緑色などで塗って示します。
※BOOKを複数に分けるときは違う色で塗ることがあります。
具体的に分けてみよう
では、上記のシーンを細かく分けてみましょう。

まず、今回は椅子とテーブルは背描き(背景で描く)とします。
最近はクミ(下の項目を参照)を切るよりセルとBOOKを分けて挟み込む方が綺麗らしいので今回はそれで素材を作ります。
・テーブルの下のところのセルを一番したいので、足をAセルに指定していきます
・セルがどの辺で分けたいかも指示として入れると親切です
・各セル指示の横に人物名や名称を入れるとさらに分かりやすくなります
・BOOKは若い番号を下から付けていきます
・足元の地面影、セルと背景の影が被るケースはできるなら背描きにすると処理が楽です
追記:X(旧Twitter)で指摘を受けましたので、これで訂正します 右のキャラの椅子の背もたれはBOOKを分けた方が楽ですね。 あと膝あたりのセル分けの範囲も良くなかったですね。 ご意見ありがとうございました!

※T-光マスク
T-光(または透過光処理)、昔はにマスクが必要でしたが、今は撮影時、セルの色を拾ってマスクにできるので、マスクなしで光らせられることが多いです。今回のスマホの画面を光らせたい時でも特にマスクのセルを作らなくても良いと思います。
これも作品によってルールが違うので、確認しておきましょう。

まぁ、作っても問題はないし、むしろ動画さんからしたらありがたいです。
セルが多いときは出来るだけ簡潔にしたいので分けない方がシートはスッキリしますので、ケースバイケースです。
レイアウトの素材分けは大体こんな感じで、パーツごとに指示を入れます。
クミ/組み
「クミ」、もしくは「組み」とは接触・接続する部分の組み合わせの処理の指示を指します。
発生するケースは主に
・セル同士
・セルと背景かBOOK
基本的にレイヤーを分けて素材を作るので、組み合わせた時にズレが生じないようにするのがクミの役割です。
セル同士のクミは作画で完結するので、問題はあまりありませんが、背景と絡むと作業者が違うため、それぞれにルールのような物を作らなければなりません。
それがクミ指示といいます。基本的に別紙で作成します。

色は黒で問題ないです。今回はわかりやすくするために色分けで描いています。
クミは2種類あります
・クミ
・準クミ
クミは絶対に合わせる指示です。ちょっとでもズレると破綻してしまいます。
準クミは大体この辺に描いてください、みたいなちょっと緩い指示です。
上記の例で見ればテーブルや座面の範囲を示すのが準クミ。ちょっとズレても影響がない時に使います。

作画さん用と美術さん用に、同じクミ指示を2枚描く必要がありますが、フルデジタルの場合は1枚で済みます。
セルと背景・BOOKのクミはズレるとリテイクが出るので、出来るだけずれが生じない素材を挟み込む組み方が最近は望ましいようです。
特に今のようなアナログとデジタルが混在する作り方ではズレることが多いです。
まとめ
レイアウトは複数の素材がある場合、それぞれの扱い方を指示します
・セル
・背景、BOOK
レイアウト以外にタイムシートへの指示も必要です
クミが発生する場合はクミ指示を作成しなければなりません。
素材の重ね順は下から繰り上がっていきます
・Aの次はB、①の次は②
塗りはシンプルに、必要なところに留めましょう。レイアウトを塗りすぎるとごちゃごちゃしてしまって見にくくなります。
設計図、指示書は1回見れば分かるような物であればあるほど良いです。
これらはあくまでも自分がやってきた経験による知識ですので、参考程度になればいいかなと思います!
