レイアウト・ラフ原の作業順番

どうも、鈴です。

本日は作画(レイアウト)する時、効率よく描けるように、自分なりのやり方を紹介したいと思います。

基本的に絵コンテを基に作画していくだけだと思われがちですが、アニメーターはただの絵描きだけではなく、役者・美術・カメラマン・照明など、色んな役割をこなしつつ作業をしなくてはいけません。

実写と違って、リハーサルをリアルタイムで確認して、演出さんが指導を行えませんので、アニメーターはそれらの1人で担わなければなりません。

なので、それなりに事前準備をしておくと以降の作業が楽になります。

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作打ち前

当然ですが、まずは絵コンテを読みますね。どこまで読むかですが、出来れば全部を読んだ方がいいです。でも当然時間的に厳しいと思いますので、少なくとも担当するシーンのところは読んでおきたいところ。

鈴

ここで注意したいのは、担当するCUT数だけではなく、そのシーン、すなわちその場面の一連の出来事を把握することです。

理由は後ほど説明します。

絵コンテは読みながら頭の中で各キャラの動きをシミュレートしましょう。キャラの心情、状況、周りの環境も意識しましょう。

動きに矛盾などがないか確認しつつ、ここでこういう動きを足してみたいとかも考えます。

この段階で、自分が実際に原画を描くなら、どの辺に原画を入れるか一度組み立ててみると、意外と色々見えてきます。

ポイントはCUT割ではなく、セキュリティカメラみたいに俯瞰した角度で芝居の一連を想像することです。

絵コンテで描かれた絵をそのままやると実際は変になることがあります。

理由はさまざまあります

・絵コンテが上がってから設定が変わった
・前のシーン、話数の合わせが生じた
・単なるミス

もちろん、そんなに頻発するわけではないので、たまに見つけられるとちょっとドヤっと思っておけばいいかなと(笑)

目的はミスを探すことにならないように、あくまでも原画の絵を一度意識しておくことです。

そうしますと作画する時すでにある程度イメージが出来上がっているので、作業効率が格段に上がるでしょう。

作打ち時

次の段階は実際に作打ちを行い、演出さんから細かい説明、変更点、リクエストなどが伝えられます。

大体は

・シーンの説明
・場所と時間帯
・光源
・キャラの服装
・小物類
・シーンの出来事
・前後のシーンや話数からの合わせや変更

ここで自分の考えたシミュレーションと合っていなければ、演出さんに確認しましょう。

例えば

・デートに向かう気分ルンルンのキャラは、歩くスピードはいつもより速くしたい
・疲れたから動きを小さく、遅くしたい
・雰囲気出すために影付けを逆光にしたい

などを提案したりもします。

作打ちはただ指示を受けるだけではなく、積極的に質問や提案をする場にしましょう。

このようなやりとりでキャラへの理解が深まるので、動きをつける時、動くスピードやポージングの役に立ちます。

また演出さんの好みや人柄も分かるので、今後また一緒に仕事することがあれば、やりやすくなると思います。

鈴

色々提案をしてくれるアニメーターさんが好きで、駆け出しで上手くなくても、頑張っている姿勢が見えれば応援したくなります。レイアウトの演出チェックの時はちゃんと指導やアドバイスを入れて、上手くなるといいなぁと、ちょっとおこがましいかもしれないけど、思っています!

レイアウト実作業

作打ちを経て、いよいよ机に向かって実作業に入る時です。

いきなり描き出す前に、先ずはタイムシートから始めたいです。

はい、ここでも逆算です(笑)

無駄がないように、先ずタイムシートにセリフの位置、動きの大まかな位置を決めたいです。

鈴

最近はスケジュールの都合、CTシートなるものが渡されることがあります。

CTシートとはカッティング後タイムシート。

先に編集作業を終え、調整されたタイムシートのことです。

CTシートがある場合は尺、セリフ、カメラワークのタイミングが大体決まっています。尺は基本的に変えませんが、セリフとカメラワークは多少弄っても大丈夫です。

鈴

自分もあまり変えませんが、変えても6コマ前後くらいに留めています。

どうしても大きくかえたい場合は事前に確認や了承を得てから変えます。

演出さんによっては嫌がられるかもですが。。。前にも述べたように演出さんの性格など把握しておくとその辺は上手くやれると思います。

CTシートがある場合はそれの確認。ない場合は自分でセリフの尺を測ってキャラの動きを大体でいいので決めておきます

鈴

セリフ尺を測る時はできれば声に出して演技しながら測るといいです。

たまにむか〜しの教えで一音を3コマで測らずシートに記入するというのがありましたが、今ではもう通用しないので、必ずストップウォッチを使ってください。

※1秒24コマなら、0.25秒を6コマとして換算、0.13秒くらいが3コマで覚えておけば良いと思います。

タイムシート仮決め

こんな感じで決めておけば、あとは絵にするだけです。

鈴

慣れてきたら、動きのところは原画の枚数をある程度想像できるので、より正確かつ効率的に作業ができるようになりますよ!

自分が実際に使っているストップウォッチです。

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絵コンテを描く時に欲しい機能はラップタイムの記憶です。1CUT 1CUTを測るのではなく、複数のCUTを連続で想像しながら測るのが理想なので、最低でも10人分のラップタイムが記憶できるものを選びましょう。

鈴

最近はスマホのストップウォッチでも全然問題ないと思いますが、昔の慣れでボタンを押す感覚があった方が個人的にいいです(笑)

1番大事なのはキャラになりきり、動きと会話のペースなどをリアルに想像して測ることです。
それさえ出来れば測る手段はなんでも良いのです。


少し脱線しましたが、シートのタイミングに戻りましょう

決める時のポイントは

・キャラの普段喋るスピード
・キャラの心情
・動き
・間
・コンテ尺

もう少し詳しくみてみましょう

キャラの普段喋るスピード
既存の作品なら過去の話数を見れば大体把握出来るので問題はないと思います。
放映前や過去参考のないものに関しては
・キャラの年齢から想像:子供なら速め、年配者なら遅めなど
・性格:せっかち系なら速め、おっとり系なら遅めなど
・声優さん:各声優さんの特徴が分かればある程度は想像が付きます
・監督か演出に聞く:以上の予想から打ち合わせ時に確認すると尚良いです

・キャラの心情
普段遅めだけど、緊迫した状況なら少し早くなったり、落ち込んだりした時なら少し遅くなると思います。
基本的にシーン内で確認しますが、たまに他のシーンや前の話数などで引き継ぎがありますので、そう言うのはないかは事前に演出さんなどに聞くと良いでしょう。

・動き
キャラが止まっているのか動いているのかなどでもタイミングが変わってきます。
重い物を運ぶときは基本的に遅く、軽いものは普段通りなど。
また、力むとき喋るスピードも遅くなったり、その時の状況で速くなったりもします。どういう演技が良いかは演出さんや役者さんによって変わるので、やはり聞くと良いでしょう(笑)


これは中々難しいところです。結構経験と好みに左右されます。例えば
・CUT頭から喋る、動く
・セリフ間
・余韻
・テンポ
作品にもよるし、監督にもよります。また状況、心情によっても変わります。
この間の取り方次第では作品のテンポが良くも悪くも変わってしまいます。

鈴

好きな作品の続編を見た時なんかテンポが違うなぁと思ったら監督が変わったことがよくあります。
そういうのを感じ取れるようになりたいですね

これに関してはアニメや映画をたくさん見ると良いと思います。
見るときはCUTとCUT、シーンとシーンの繋ぎ方を意識してみるとテンポの感性が鍛えられます。


個人的に
・アニメは反面教師として見ることが多い
・映画は見本にしていることが多い
理由としては、映画の編集さんはしっかりしていることが多くて、アニメの方が編集さんというよりは定尺があるし、絵コンテ撮で編集しているのでタイミングを掴むのが難しいからです。
もちろんテンポの良いアニメ作品もあるので、そこは実際にみて判断してみましょう。

鈴

私が思うテンポが良いアニメ作品は「WORKING!!」や「進撃の巨人」の 1期です。
あと京都アニメーションの作品も結構みんないい感じに編集されていると思います!

・コンテ尺
こちらはあくまでもコンテを描いた方のイメージを汲むために一つの指針であって、絶対に合わせないといけないものではないです。
セリフや動きが少ないのにコンテの尺が長いなら、どこかで間を取りたいということになります。そこはコンテの意図と演出意図によって変わってきます。

鈴

コンテ尺は基本的に守らないことが多いです。
昔 1回だけコンテにセリフと間の尺を監督が全部書き込んだので、守るしかなかったことがありました。

演出じゃなくて、原画だけだったのでよかった(笑)


次はいよいよ絵を描く工程です。

以前にも書いたのですが、CUTの意図に合わせて、何を先に描くか決めます。

キャラ優先ならキャラの大まかな配置から決めて、背景の指標となるものの配置を決めて、アイレベルやパース線を引く。

あとは細かい部分を描いていけば考えることがだいぶ減りますので、ポーズや動きにフォーカス出来るようになります。

一通り描き終わったら、タイムシートを記入します。この時細かい動きやセリフのタイミングを調整します。止め絵で喋るか、動きながら喋るか、もしくは動きを足すか、見直します。

他にはカメラワーク撮影などの指示があれば一緒に記入します。

ここで一つ是非書いてほしいものがあります。

詰め指示です。

詰め指示とは動画マンが中割りを入れる時、どのように入れるかの指定するものです。

例えばこんな感じ

動きのタメ、スピード感がかなり左右されます。

鈴

動画時代に会社のベテランアニメーターが描いた原画の中割をやっていた時、詰め指示が全部に入っていました。最初は特に何も思わなかったのですが、

フィルムになって初めて見たとき、動きのリアルさに感動して、自分も原画をやるようになったら詰め指示を必ず入れるようにすると決めました。

今では書かれていない原画があれば、演出の原画チェック時に入れます。

出来ればラフ原の段階で書いていただきたいです。

これで演出さんと作監さんが原画マンのやりたいことをさらに理解することが出来ます。

これの有り無しで、動きのリアルさ、重さを感じれるかが変わります。もちろん作品の傾向にもよりますが、アクション作品はもちろん、日常芝居に説得力が生まれます。

また時間がある時、詳しく説明できたらと思います。

ちょっと話が逸れましたが、原画作業でも逆から作業をすれば、悩む時間が減り効率良く仕事ができるようになるでしょう。

まとめ(余談含め)

アニメ業界で作画さんが離れる理由の多くは稼げないからです。

仕事が速ければ生き残れるようになるはずです。手が速い人は重宝されます

当然速いだけで内容が良くなければ次の仕事につながりませんので、ご注意を(笑)

自分が原画の駆け出しの頃、はっきり言って原画マンと名乗るのが詐欺くらい下手でした。

でも、頑張って考えて一生懸命にやっていたので、仕事を貰い続けていたのだと思います。

演出、作監チェックを抜けて戻ってきたレイアウトを良く研究して、

演出さんのほしいもの、作監さんの修正で自分のダメなところを見て色々覚えていきました。

また、迷惑をかけた分、原画はきちんと修正に合わせて丁寧に仕上げて

「この原画マンなら、次は修正枚数少なくても合わせてくれる」と思っていただける様に頑張りました。

そうやってただ修正をなぞって原画にするより、自分の描いたラフ原をどう調整して他の絵にあわせるかを考えつつ作業していけば、画力も自ずと上がります。

そんな感じで、制作さんの信頼も得て、仕事が途切れることはありませんでした。

その間、絵コンテと演出をやりたいというのもずっとアピールしていましたが、チャンスはなかなかありませんでした(笑)

正直、最近監督になるのはコネの力が強いなぁと思います。

なので、制作さん、デスクさん、Pさんと仲良くなるのも大事です。

その第一歩は仕事で信頼感を得ることから始まります(笑)

鈴

昔、Pとぷち喧嘩して約束された仕事をなしにされたことがあします(笑)

当時は多分今みたいな演出不足な状況ではなかったので、空きがなかっただけだと思います(思いたいw)

まぁ、絵の勉強も兼ねて原画を暫く続けていました。

作監レベルではないが、そこら辺の原画マンよりは描けているつもりです|∀・꒱.。oO (多分)

原画が描けるスキルがあれば食い扶持がなくなることはないでしょう。

手に職を持つことを先ず目標にして頑張りましょう!