動きの軌道

スポンサーリンク

自然な動きの考え方

どうも鈴です。

本日はレイアウトをチェックする時よく見かける間違った動かし方について語りたいと思っています。

絵が上手くても、動きが良くないと変に見えることが多いです。

またそういう動きを描くアニメーターの多くはXとY軸しか使わないから、単調な絵になりがちです。

そうならないようにこれから述べるポイントを覚えて頂ければと思います。

基本的に最短距離

人間は基本的に楽をしたい生き物なので、余計な労力をせずに目標を達成しようとします。

例えば歩く時、平な地面なら足は高く上げずに、地面から1〜2センチくらい浮かせて歩きます。

足の運び

A:普通なら運び足はこのくらい
B:足を高く上げすぎている。そのため太ももが上がり、余計な力を使う
C:一見「A」より太ももが上がってなくて楽そうに見えますが、つま先を上げているので、こちらは大きい筋肉である大腿筋より力を使っているので疲れます

普段歩く時そんなことは意識していないと思いますが、体は自然に一番楽な姿勢を取ろうとするのです。絵を描くときも自然な動きになるように、注意すべきです。

それを踏まえて、いろんな例を見ていきましょう。

・手の軌道

手の移動する軌道考察

よくある無駄な動きです
A:肘は最短で動いてはいますが、前腕は長さが同じまま体の中心を大きく超える遠回り

普通ならこうなる
B:肘と手の両方の動く距離をなるべくコンパクトになるように、肘は少し開き、腕は斜め前に出る

原画だけ見ると絵的に問題はないのですが、一連の動作として考えると無駄があります。

もちろん意図があって余計に動かすこともありますが、基本として最短を目指すべきです。
※芝居かかった動きなら、こういう大きい軌道の方が良い場合が多いです

・物を取る手

物の大きさに合わせて手を開くべき

指を全部伸ばすか開くかのような原画も多いですが
A:対象の大きさが分からないなら開くかもしれませんが
B:基本はそれより少し大きく開けば十分です
C:最終的こうなるのに1番合理的な手の開き方を考えて描きましょう

もちろん、急いでいる時とか、戦闘の時とか、確認する余裕がない場合は大きく手を開いておく方が確実なので、シチュエーションに合わせて使い分ける必要があります。

・段取りくさい

一つの動きの中に別の動きを入れても良い

これは間違いではありませんが、一度に一つの動きしかしないと段取りくさくなります

奥のキャラが手前の方に来て挨拶する芝居ですが
A:歩き終わってから手を挙げる
B:歩きながら手を挙げる

両方を比べてみると、Bの方が自然で尺を取らないし、必要な原画枚数も少なく済むはずです。

絵コンテはスタートとラストしか描かれないと思いますので、間を埋めるアニメーターはどのように芝居をさせるか、上手さが分かれます。

もう一つ例を挙げると:
椅子から立ち上がって離れる時、テーブルに置いてあるスマホはどのタイミングで取ります?立ち上がり切ってからですか?立ち上がり切る前に取りますか?

普段意識しないと気にならないところだと思いますが、より自然な動かし方がどんなものか是非自分で芝居してみて研究するといいです。

足運び

歩きや走りと時以外あまり注目されないのですが、実はもいろんな動きの中に絡んでいます。

足は画面外になることが多いので、忘れられがちですが、生き生きとした動きの裏に足が関係しています。

一番間違いが多いのは振り返りです。
聞いたことありませんか?ターンテーブルに乗っているみたいな振り返り

正面ー上からのアングル

物理的にワンアクションでその場180°回転することは不可能です。

今すぐに自分でやってみてください。足は必ず動かなければならないはずです。

ではその場に止まる振り返りはどのようにするのかというと、上記の図の右側にあるように、両足が同時にではなく、一本ずつ動かさないといけません。身体を支える、接地する軸足が必要です。

子ども向け作品や節約する必要がある作品なら、3コマ目の動きは省いて良いでしょう。

アニメは何でもかんでもめちゃくちゃ動かせば良いというわけではないのです。メリハリが大事なので、全体のバランスを考えて動かす必要があります。リソースの管理、費用対効果も効率を上げるのに大切なところです。

鈴

上記図の足の動き以外に、目線や顔と体の向きにも注目してみてください。

首はすぐに回せるので、顔と目線は先に目標に向けます。体は少し遅れて回ります。

足が絡む動きの他には
・椅子から立ち上がる
・重心移動

気をつけたい足の動き
・階段の登り降り(上下動の間違いが多い)
・歩きや走りのストップ
・走り出しのファーストステップ

体はどのように動くのか、重心はどう移動するのか、先ずはご自身でその動きをやってみて、出来ればスマホなどで動画を撮って確認し、研究すると良いでしょう。

バランスの取り方、力の入れ方、体の使い方をマスター出来れば、リアリティのある絵をかけると思います。

そして、それが説得力のある崩した動きに繋がって行きます。

動きの誇張

終始最短な動きで動いてたら、それはそれでつまらないと思います。

時にはあえて誇張した動きを使って、芝居の強調したり、ドラマ性を足したりすることもあります。

振り向きの軌道

これは良くある振り向きの動きです。

普通に振り向く
A:最短の動きで真っ直ぐに顔を向ける
B:少し下を向けながら目パチを入れる

Bの振り向きは例えば、ちょっとめんどくさそうな人に声をかけられた時とかに使うと、表情には出さなくてもキャラの心情を表すことが出来ます。

他に例を出すと
・物を差し出す時
・足を組み替える時

大体意味深な言動が多いキャラはそういうことをすると思いますので、是非注目してみてください(笑)

まとめ

基本的には最短の軌道で動くのを意識しましょう。

また足や画面外の動きも意識して動きをつけるべきです。

キャラのポーズや表情も大事ですが、意外と動きの軌道やスピードも表現に使えます。

アニメは時間軸というものがあるので、それをうまくコントロール出来るようになると、表現の幅がさらに広がるので、是非覚えていただきたいと思います。

今回はここで終わりたいと思います。ここまで読んでいただきありがとうございました!