芝居のタイミングについて

どうも、鈴です。

アニメはLO作業時、原図とラフ原画以外にタイムシートを記入しますが、最も悩ましいのが尺内のどこにどの芝居をどのくらいの長さで付けることではないでしょうか?

例えば
・頭から動き出すのか、それとも少し止めを入れるのか
・セリフのブレスを入れるかどうか
・止め口パクか、喋りながらの中セリフにするか
・TU/TB、PANのタイミング(尺一杯、フェアリングの有無など)
・アクション(動き)の繋ぎがあるかどうか

意外と考えることが多いです(笑)

一番早い方法は頭の中でさせたい芝居の流れをリアルタイムでシミュレーションして、CUTの切り替わりなども意識しつつ決めればいいと思います。

出来れば絵を描く前に行うことをお勧めします。まずは頭の中で動きの整理をしてから描いた方が効率が良いからです。そこからの逆算で作業すれば、行き当たりばったりで絵を描くことがなくなると思います。

作画することが実行段階なら、このシミュレーションはプランニング段階に当たります。

やはりちゃんと計画してから実行したほうが成功はすると思います。

鈴

もちろんノープランでやった方が意外な発見につながりますし、得意とする人もいると思いますが、初めの頃はなるべく基礎的なところを堅実にこなせるようになってからやればいいです。

アニメ業界で生き残るには最初の数年間で生活費が稼げるかどうかが大事です。

描きたいもの、作りたいものを描く作るのは芸術家。

求められたものを描ける作れるのがプロ。

依頼されたものを作ってお金をもらう以上はクライエントに合わせる必要があります。
絵コンテが発注書だと思っていいです。

忠実にこなせるようになってから少しずつ自分色を出していけばいいと思います。

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動きの種類

動きは3つの部分に分かれています
1.動き出し
2.最中
3.止まり

現在作業中のCUTのキャラ・ものの動きはどちらか、もしくは全部に当てはまります。

例をみてみましょう

声をかけられたBが振り向くCUTです。

芝居が全部CUT内で行われているので、動き出しから止まりまでが入っています。

動き出しは声がかかった後なので、セリフ位置の後に入ります。

この時のBの反応の速さはシチュエーションによって変わります。
すぐに振り向く、ハッとなってから振り向く、ゆっくり振り向くと様々あります。

これは演出意図を考えた上で芝居つけをしないとチグハグな感じになってしまいます。

では次の同じシチュエーションをCUTを割ってやってみます。

今度はCUTを変えてから動き出します。

すでに前のCUTで声がかかったのがわかっているので、CUT頭からいきなり振り向くのはOKでしょう。

もちろん先ほど述べたようにシチュエーションにもよりますが。

もうワンパターン見てみましょう

上の2つの例の中間的なところです。

動き出しは前のCUT、止まりは次のCUTです。

当然これはそれぞれCUTの最後とCUTの頭につくことでアクションが繋がってるように見えます。

大体動きの半分のところでCUTを変えればいいかなと思いますが、早く次のCUTを見せたい場合なら動きだしが終わったすぐに切るのも出来たります。

それぞれの動きには何かしら動機があってやっています。アニメ、ドラマ、映画は基本的にストーリーに関係ないところを削ぎ落として編集したものなので、大体は必要があって動いています。それを理解すればさほど苦労はしないと思います。

セリフのブレス

ブレスとは息継ぎのことを差します。

喋る時は息を吐き続けるので、空気を吸い込むための息継ぎを入れる必要があります。

どのくらい入れるかは人によって変わります
・ハキハキ喋る人
・モジモジする人
・穏やかな人
・せっかちな人
・年齢
など

また、喋っている時の心情やシチュエーションによって変わることもあります
・楽しい時
・悲しい時
・ヒソヒソ話
・喧嘩
・演説
・勿体ぶる時
など

基本的にそれぞれのキャラになりきって喋りつつ、尺を計ります。

以前X(Twitter)で見かけたツールが良さそうです。使える環境の方は使ってみてはいかがでしょうか?

https://x.com/ranzaki5000/status/1630629777567784960?s=61&t=BwDA2-BzgHS5foLLRKB4YQ

普通に喋ると、6〜12コマくらいのブレスを入れるとちょうどいいかなと思います。

この感覚は掴むのが難しくて、実際にカッティング(編集)などに立ち会って、自分がつけたタイムシートと見比べないとなかなかできないと思います。
それなりに経験を積めばある程度は掴めると思いますので、是非フィルムと見比べてみて下さい。

セリフと動き

喋る→動く→喋る→動く→喋る

みたいな段取りっぽい芝居を、駆け出しのアニメーターや演出が付けがちです。

体と口は別々で制御できるので、喋ることと動くことは同時に出来ます。

テレビシリーズでは動きながら喋る(中セリフと言う)の作画がちょっと嫌がられる傾向にあります。

セリフのタイミングが上手く合わせられない時の調整が難しいからです。止まっているなら口パクのシートだけ直せば済みますが、動きながらですと絵を直さないと行けないケースが多いです。

また、動かせば動かすほど、作画のカロリーが増えます

でも、それって作画の都合ですので、出来れば自然な芝居を付けることを優先したいです。

そのためにバランスの取れた芝居つけられるかが大事です。

自分としてはまずセリフと動きの意味と重要度を考えます。

例えば
・セリフが重要なら無理に動かさずに、最後まで喋らせてから動かす
・特に重要ではないセリフなら、自然な流れの中で動きに合わせて喋らせる
・アクションがセリフを強調する場合
・動きによってSEがセリフの邪魔になる
さまざまありますので、都度考える必要があります。

もちろん作画だけじゃなく、絵コンテでもその辺のコントロールが出来たりしますので、色んな作品(アニメ)をみて、どう捌いているか研究すると良いでしょう。

CUT頭と尻

止めを入れるか入れないか、どっちなんだい?

昔の教えは頭6コマ止めを入れてから動きもしくはセリフを喋らせるをスタートさせろというのがあったようです。

おそらく編集で切る前提のことだと思います。

しかし、その止めを入れると、動き出しを入れないと、キャラが急に飛び出すような動きになってしまします。

なので、アクション繋ぎなど、止める必要がなければ、基本的に頭から動いて良いですしょう。

ではCUT頭や尻で止めを入れるのはどういう時でしょうか?
・表情を見せたい
・状況を見せたい
・余韻
・シーン変わり
などが挙げられます。

※おまけ
こういう止めを入れるなら、多少長めに入れると、編集時で長く感じたら、編集さんで切るだけ済みます。
でも逆にもっと足したいとなった時、シートから直さないといけないので、気持ち6から12コマ多めに頭と尻に入れると良いと思います。

カメラワーク

良くあるT.U./T.B.、F.I./F.OやPANを決めるのも中々悩ましいのです。

例えばシーン頭に風景、状況を見せる時に良くカメラワークを使ったりすつと思いますが、基本的に途中で止めたりしない方がスムーズに見れます。

C1 PAN→止め
C2 TU→止め
C3 PAN→止め
のような構成だとちょっと気になります。

C1 止め→PAN
C2 TU全尺
C3 PAN→止め
くらいにすると流れがスムーズに感じると思います。

個人的にこういう点描の一連の最後に一旦止めにしてから次の進めたいと思うタイプです。
カメラワークが一旦落ち着いてくるので、見る側としては次のCUTからがメインなところと心理的に訴えることが出来ると思っています。

後は、もう少しゆっくり見せたい絵があると、カメラワークは全尺ではなく、止めを入れることが多いです。

鈴

もちろん毎回そうしているわけではなく、状況によって変えたりします。結局は好みのところもありますが(笑)

好きな作品のカメラワークをみて真似してみたりするのもいいかもしれません。

まとめ

芝居は生きているものなので、テンプレートのようなシートの付け方をしては勿体無いです。

CUT単位で芝居をつけるのではなく、一連の流れを頭の中でシミュレーションしてからやりましょう。

数コマで変わる世界なので、もっと考えてからシートを付けるようにしていきましょう。

ここまで読んでいただき、ありがとうございました!ではまた次回!